303号室から愛をこめて

何が楽しくて生きているのか

珈琲

 

 

渋い喫茶店でコーヒーをブラックで注文するようになったら、ブログを再開する

 

そう決意をしてから数年の月日が経った

 

 

 

当時の私にとって結果的に数年もかかってしまった目下の懸案事項であれ、

克服のきっかけはほんの些細なこと

 

 

 

 

 

 

 

数か月前、職場に設置されたコーヒーメーカーの側にゴミ箱がなかった


ただそれだけのこと

 

 

 

私はこれまで紙コップ一杯のコーヒーに対しミルクを2つ、砂糖は気分で適量混ぜてきた

 

しかし、それらの残骸を捨てるにはわざわざ事務所の奥まで行かなければならない

 

それがひどく煩わしく感じられた

 

面倒だと感じながらも続けていたわけだが、ついに横着した

 

そうして飲んだブラックコーヒーに

 

 

 

なんだお前、イケるじゃん

 

 

 

私ともあろうものがくだらない年の取り方をしたもんだ

 

悲しくもあったがそれ以来、コーヒーはもっぱらブラックである


ただし缶コーヒーは微糖を選ぶことに変わりはないが

 

 

 

 

 

 

 

ふた月前、

近所の喫茶店でのコーヒーが格別にたまらなく美味しかったことを憶えている

 

 

 

金曜日の午後3時


別にプレミアムフライデーを敢行しているわけではない

 

 

 

その日、

約2年勤めたコーヒーをブラックで飲むキッカケを作ってくれた職場とサヨナラをした

 

大変お世話になった職場に、心から感謝した

 

 

 

さて何から始めようか

 

 

 

無為に時間を使えるのはこの上ない贅沢である

 

しかしそのような時間が無限にあるわけは当然ない

 

結局、何をするわけでもなくあっという間に時は流れた

 

 

 

 

 

 

 

ひと月前、故郷を捨てた

 

 

 

 

 

馴染みのない土地

 

経験したことのない新しい仕事

 

初めての一人暮らし

 

 

 

冷静に考えて大博打だ

 

誰も助けてくれない

 

自分で決めたことだけれども、決断した自分に後悔もした

 

 

 

 

 

 

 

それから1ヶ月経ち、今日を迎えた

 

 

 

ようやくこの日々にも慣れてきた

 

慣れてきて、ふと思った

 

 

 

何が楽しくて生きているのか

 

 

 

追われるだけの毎日で

 

生きるためだけに必死に生きてきた

 

 

 

お前はそれでいいのかと自分に問うた

 

 

 

もちろん、聞くまでもなく答えはノーだ

 

 

 

 

 

まだまだ苦しい生活が続く

 

 

 

でもいつか、

こんな泥水をすすりながら生きた日々を笑いながら話せる日が来るだろう

 

 

 

今度は苦いコーヒーをすすりながら