303号室から愛をこめて

何が楽しくて生きているのか

2021-01-01から1年間の記事一覧

中締め

書き溜めた膨大なメモを前に呆然とした。 何も書きたいと思えなくなってしまった。このメモは不完全なまま完結していた。 不格好なこれをそのまま出せる勇気もない。今更新しく何かを書く気力もない。 ところで書いたところで何になるのか。 そもそも303号室…

ワードセンス

より多くの言葉を知ろうという気に少し前からなっている。 言葉を知らなければ自分が感じている今の状態を上手く言い表せないからだ。 とはいえ、いまの自分は気だるいのか、鬱々としているのか、はたまた無気力なのか、それとも複合的なものなのか、正直わ…

プァエ

かつて『プァエ』という阿呆がいた。 いま「プァエ」と名乗っている私は、名前を借りてるに過ぎない全くの別人だ。彼には勢いがあった。 頑固でわがままで我が強くて強引で自己中心的な性格が次第に人を遠ざけたのかもしれないが、それなりに周りには恵まれ…

黒夢

昨晩は珍しく、きちんと寝ようとした。 携帯を充電し、目薬を点し、布団をかけて、電気を消す。目を閉じて今日の出来事を思い出したり明日の予定を確認したり、はたまたしょうもないことを考えながら、だんだんと意識が薄れ眠りにつく。そんな当たり前から最…

うまぴょい伝説

モーニング娘。の『LOVEマシーン』と『恋愛レボリューション21』、はっぱ隊の『YATTA!』を、平成の“ええじゃないか”だと論じる人物がいる。私は腰痛博士と呼ぶが、彼の視点や考察はたしかに鋭く、三曲とも沈み行く世を憂いつつ底抜けに明るくキャッチーな振…

霊感少女

幼い頃から霊感少女を興味深く思っていた。 私にはそういったものがまるでない。彼女は何も無いところを指して居るとか喋っているとか言うのだ。これがハッタリや出鱈目であったとしても確かめようがない。 正直、気味悪いと思ったこともあるが、霊感が本当…

約束

じゃあ二年後。達者でな。 いつも一緒に飲んでいた350mlの缶チューハイを片手に夜道を歩いた。餞別としてこれを渡してくるあたりが相変わらず憎い。終電を逃した夜はまだ寒く、冷えたレモンサワーを持つ手の感覚は酔ってもいないのにほとんどない。自宅まで2…

降伏

私が握りしめている薄汚い紙に、 私の生殺与奪の権を握られている。乾いた笑いすら出てこないが、 その歪な様相はこの上なく滑稽だ。 78億人全員参加のマネーゲーム。 「今日は皆さんにちょっと殺し合いをしてもらいます」労働者は時間、身体、労力、その他…

夕暮れ時の快速列車は何を乗せて走るのか。草臥れたスーツの背中、大きな紙袋をぶら下げた左腕、私の足りない脳みそ。そんな有象無象を無造作に詰め込み夜へ向かって揺れ動く。 強い西日を背に中吊り広告に目をやる。何か理由があるわけではないが、ただ漠然…

書きかけ

定時で仕事終わるのに、帰宅がいつも23時過ぎるのはどういう了見なのか。 まあ、自分がわかってればいいことではある。 通勤のバスで毎日スマホを忙しなくフリックしてはいる。ただ、車酔いで10分少々で断念せざるを得ないのだ。 乗換検索では21分、道が混雑…

ソルヴェキの森

大御所作家が書きそうな文章を書いてみる。 というテイで自分が書きたいことを容赦なく書いてみる。 下世話な話が苦手な方は他の記事を熟読し、来週までにA4用紙1枚程度にまとめること。 ◇ 朝早くに家を出て日中動き回り、夜遅くに帰宅した日の風呂場で私は…

寒さのせい

はじめて死にたいと思ってしまった。 いつものように歩道橋の上を歩いていると、凍てつくからっ風に煽られた。 そのとき、それはもう何の前触れもなく、咄嗟に。 なんか、寒いからだろうな。 ぜんぶ寒い。 寒さのせいなんだよ、全部。

106号室

昨年2月25日、京都の303号室。 深夜、愛車ロードスターに詰めるだけ詰めて故郷を出た。ただでさえ乗降しづらいツーシーターの助手席には荷物に埋もれるように彼女がいてくれた。7月下旬、実家に帰る。 早すぎる撤退。いや早くて良かったのかもしれない。メン…

引越前夜

ベッドが部屋の8割を占めてしまうほど狭くて、壊れかけの給湯器で温度の定まらないシャワーを浴びるストレスフルなバスタイムを毎日強いられ、古すぎる洗濯機は曹洗浄しても綺麗になったのか疑念の余地があり気分的に服が綺麗になってるか心配になるし、隣の…

2メートル

「夜の散歩をしませんか? 2メートル離れて」 ビールを飲みながら2時間歩いたあの日、思い出したフレーズである。 ◇ 京都の303号室でひたすら寝腐っていたときの話。 ひたすらTinderでスワイプだけしていた日々。その甲斐あって、良い出逢いも、しょうもない…

遅ればせながら新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。 昨年、新しくブログを作り直し、 勝手気ままに駄文を撒き散らしておりました。 本年も昨年同様、 くだらない文章を生み出していく所存です。 ただ一つ、 昨年は28年の人生で最も苦難の年でした。 さすがにもうしんどいので…

1分

終電を逃すことにはさすがにもう慣れた。 1分早くお店を出ていれば間に合っていたと考えたら非常に阿呆らしい。その1分に終電を逃すほどの価値があったのだろうか。しかしまあ終電間際の名残惜しさには冷静な判断をさせない圧倒的な力がある。 仕方がない、…