303号室から愛をこめて

何が楽しくて生きているのか

106号室

昨年2月25日、京都の303号室。
深夜、愛車ロードスターに詰めるだけ詰めて故郷を出た。ただでさえ乗降しづらいツーシーターの助手席には荷物に埋もれるように彼女がいてくれた。

7月下旬、実家に帰る。
早すぎる撤退。いや早くて良かったのかもしれない。メンズエステの愛華からコンビニおにぎりとガムをもらい車に乗り込む。夏なのにそこまで暑くない、夕方でもそんなに混んでいない日だった。助手席には誰もない。

10月上旬、横浜の202号室。
一軒家の二階を薄い壁で区切っただけのただのタコ部屋。名ばかりの202号室を一刻も早く出ようという一心で、これからの生活のために苦しみながらも前に進もうとする日々だった。

今日2021年1月9日、千葉の106号室。
出たくてたまらなかったタコ部屋も、荷物をすべて出し切って空っぽになってしまうと何処か寂しい気もした。ターミナル駅から徒歩5分、新築の1K6.6帖は条件を全て満たしているといってもいい。住みよく綺麗でストレスがなければ、6帖なんて贅沢すぎるくらいだ。



そしていまはカプセルホテルにいる。
仕方ないだろう。水道とガスがまだ使えないのだから。
ということなので、明日から新しい生活が始まる。

106号室、よろしくね