303号室から愛をこめて

何が楽しくて生きているのか

引越前夜

ベッドが部屋の8割を占めてしまうほど狭くて、壊れかけの給湯器で温度の定まらないシャワーを浴びるストレスフルなバスタイムを毎日強いられ、古すぎる洗濯機は曹洗浄しても綺麗になったのか疑念の余地があり気分的に服が綺麗になってるか心配になるし、隣のズボラな女は夜勤明けに洗濯機回したまま寝るからいつまでも洗濯機使えないし何より詳細は避けるがトイレの使い方が汚くて生理的にムリ。

間借りしてる身ゆえ文句は言えないのだけれど、毎日毎日「こんなタコ部屋、1日でも早く出てやる」と思っていた。
オタクなのに自宅に帰りたくなくて近所のマクドナルドでコーヒーだけ頼んでWi-Fi時間潰してたことも多々あった。Wi-Fiと電源あるし自宅より快適だし、なにより家じゃ書類が作れなかったのだ。部屋には椅子もデスクもないから履歴書はすべてマックに行って書いてた。一応共用部にダイニングテーブルがあるもののもう一人の男がだいたいいるし。

とにかく嫌だったわけだが、横浜の202号室を出ると思うと物悲しさがないわけでもなくて。自宅は嫌いでも悪くない街ではあった。
偏見と言われても構わないが、この街は老若男女自分本位で気遣いをしない人が多い。数ヶ月住んでみて思った。京都と比べて何度イライラしたかわからない。あとクチャラーが多過ぎると感じたのはたまたまなのだろうか。
これだけ腹に据えかねることも多々あれど、良い出逢いもいくつかあったわけで。あの飲み屋と、そこの常連の高校の先生とか、ガールズバーの女の子とかね。

また落ち着いたら遊びに来ようとは思う。
二度と住もうとは思わないけれど。

じゃあな、あばよ