303号室から愛をこめて

何が楽しくて生きているのか

エロマンガ先生

 

天邪鬼というか斜に構えてるというか逆張りというか、

どうしても流行に乗ることができない。


パズドラもそう、『君の名は。』も『鬼滅の刃』もそうだ。

世間の熱が少しばかり冷めるのを待ってから、

ひとり遅れて素晴らしさを知り、ひっそり静かにハマる。


ダサいのは百も承知。

良いものは良い、頭ではわかっていても、

世間と足並み揃えて両手放しで受け入れるなんて僕にはできない。
僕の中の何がそうさせているのか、この際そんなことはどうでもよいが、

売れてるものを素直に享受する勇気が、その勇気が少しでもいい、

少しでも僕にあれば、もう少しマシな生き方ができるのではないかと思うんだ。


とはいえ悪いことばかりでもない。

ひねくれてこじらせた先に見える景色もある。

ブームに乗るだけではわからない感動がそこには、ある。


短所もひっくり返せば長所だということも

ただの綺麗事なんかじゃないってはっきりわかるだろう。

 

 

 

先日、ようやく『エロマンガ先生』を観た。
プライムビデオでの無料配信が終わることを終わる当日に知り、

その日のスケジュールをすべて白紙にして12話まで一気に観た。


人生とはタイミングとチョイス。

とある出来事に、どんな選択をするか。

その連続が人生だから、どんなことも決して軽視してはいけない。


ずっと気になっていたものの観るに観れずにいた『エロマンガ先生』の

プライムビデオでの無料配信がまさに今日終わるということを偶然知った、

という事象を“運命”と呼ばずに何と呼ぶのだろうか。


僕は迷うことなく“運命”に従う選択をしたのだ。

 

 

エロマンガ先生』12話まで観終えて僕は“運命”を確信した。

然るべきタイミングで、然るべきチョイスだった。いまの僕に必要な作品だった。


エロマンガ先生が不覚にもクソほど可愛いくて

ブヒブヒ言いながら画面にかじりついていたことを否定するつもりはない。

いやむしろ数日経った今でも思い出しブヒブヒしてることを

声高らかにカミングアウトしたって構わない。


だが単純にライトノベルが物語の題材である点が、

文章に今一度向き合おうとしていた僕にちょうど刺さった。

 

 

もしも、『エロマンガ先生』をブームに乗っかって観ていただけなら単純に

エロマンガ先生がクソ可愛いくてブヒブヒ言える良作」

という評価しかできなかったかもしれない。


しかし今回のようなこともある。

無料配信が終わるからというキッカケだったが、

フタを開けてみたら運命的な出逢いと言っても過言ではなかった。

なんならこの経緯、タイミングとチョイスも込みで、

作品の面白さとともに人生の面白さを感じられたわけである。

 

 

 

空に架る虹が綺麗だから忘れられないのではない。
夏休みの部活の帰り道、突然の雨で散々な目に遭ったあとに仲間と見た虹だから、

いつまでも忘れられないのだろう?