303号室から愛をこめて

何が楽しくて生きているのか

目が覚めてそれが夢だとわかった瞬間の感情

なんかおかしい、
そう思うこともなく疑いもしない。
夢の中ではそれが現実、現実が夢を夢だと言うだけ。



懐かしい女性が楽しそうに私に向けて笑顔を見せていた。
なんとも抜き差しならない男と女の関係になってしまい、大学卒業以来ロクに連絡も取ってないその人が目の前にいる。
さらさらの長い髪が相変わらず似合っていて、綺麗だ。
見た目通りのサッパリした態度を取るくせにお茶目で可愛げがあって。

ネットカフェのトイレに貼ってあるポスターで、あんたに似た女優を知ってしまってから何度抜いたかわからないよ。

今度こそは手を離さないでおこう、そう思った。




目を覚ましてしまい、それが夢だと知ってしまった。

なんともやるせない気分になった。
目が覚めたとき初めて冷静におかしいと思えるんだ。

へんなの。



胡蝶の夢みたいなもんでさ、
今朝の夢が現実であるならば、それも悪くないなと思った。